●Phantom - Requiem for the Phantom - 第6話 「大火」 レビュー
オリジナル回の2回目であり、待望の虚淵玄さんが担当される回です。
自分は前回も含めて勘違いをしていました。
オリジナル回2話は2クール26話放送するに当たり、エピソードが足りない分を埋めるためのものと思っていました。
それは思い違いでした、この2話は原作ゲームで描かれなかった部分を補強するものだったんです。
シリーズ構成を担当されている黒田さんの妙技ですね。
ツヴァイがトニー・ストーンの家族を殺した後日、雨が降っていました。
殺し屋家業を生業(なりわい)とする様になってもトラウマになりそうな母子殺しのミッションを終わらせたツヴァイは、生きるために食事をしていました。
食べているものはテイクアウトの焼きそば(と思われます)
「この手で人を殺し、この手でものを食べる。どっちも同じ事。そうやって僕は生きている」
窓からゴミをあさる貧相な野良犬を見ながらツヴァイは独り言ちます。
「そういうこと、なんだよ」
人を殺すこと。ものを食べること。生きていく上で何ら変わらない等価な価値に感じるツヴァイ。
かつてアインが言った言葉が思い出されます。
『そのうちあなたも何も感じなくなる。この生き方に耐える方法は他にないから。いずれ、あなたもそうなるわ。実際に人を殺すようになればわかる』
まさにツヴァイはそうなっていました。
ちょっとここで個人的に反応してしまった箇所があります。
まずはツヴァイの食事。
おそらくは中華のテイクアウトと思います。
それで私が思い出したのは古くて恐縮ですがクリント・イーストウッドの代表的アクション映画「ダーティハリー2」でこの食事が出てるんですね(正確にはガサ入れ前のマフィアの事務所で中の連中が食べていたんです)
虚淵玄さんってアクション映画に造詣が深いから、オマージュとまでは申しませんが、その辺の雰囲気はあるのかもしれませんね。
それと雨の中、傘もささずレインジャケット姿の買い物帰りのアイン。


何となく可愛いな、って思ったのですがこれもスタッフの皆さまの考えるイメージの延長線上のことではないかな?って思えたんです。
もし、アインが傘を差していると、何となく普通の人に見えるし、女の子が傘をさした買い物帰りの姿って、ちょっとルンルン気分の雰囲気も出てくる場合があるんですよね(苦笑)
アインは傘をささない。
普通の人の中で身を隠す様に生きている殺し屋。
そんなイメージをスタッフの皆さまは大事にされたのかな?って思いました。
アインは何となく捨てられていた花束から花を一輪だけ持ってきてコップに生けていました。


たぶん彼女自身は理由も分からないでしょう。
ツヴァイにその理由を聞かれれば、
『理由はないわ。ただ置きたかっただけ』
とでも言うところでしょう。


そして同じ頃、トニー・ストーンは怒りの眼差しのまま殺された妻エバと一人息子デュークの葬儀に出ていました。
部下を引き連れ、墓地から出てきたところを馴染みの警官ガントが待ち構えていました。
ガントは警告としてトニーに向かって言います。
「今のお前は血の雨を降らそうって時の目をしてやがるぜ。いいな、バカはするなよ。何時だって見張ってるからな」
「やるのかトニー」
トニー・ストーンの腹心中の腹心、アントンは不安げに言います。
インフェルノとの会合の場で手勢を瞬く間に殺された事を考えればアントンが不安になるのも無理はありません。
しかし、トニーはやる気でした。
「ああ、インフェルノはたたきつぶす。仇討ちじゃねぇ俺たちの街を守るためだ」
ガントが監視している中、派手な動きは取れません。
そこでトニーが考えたのが、
「俺たちが一切手を汚さずに奴らに引導を渡してやる方法だ」
トニーが目を付けたのはインフェルノのネットワークそのもの。
マフィアの中でもインフェルノに加わることでメリットを得る人物をピックアップしていました。
その調査結果はかなり的を得たものでしたが如何せん証拠がない。
そこで、
「その証拠を掴んで暴露してやれば奴らは終わりだ」
その証拠を所属しているマフィアに暴露。身内の不始末は内々で片を付ける(つまり始末される)
「仁義を踏みにじった連中は、自業自得でくたばるのさ」
インフェルノの秘匿性の裏をかいた石頭トニー・ストーンらしからぬ搦め手でした。
トニーはアントンにインフェルノ関係者の調査を命じます。
「連中に張り付いて化けの皮を剥いでやれ。ただし、慎重にな」
しかし、トニーは気づいていませんでした。
この世界は力ある者が勝ち、人は利益によって動くものである。
信条だけで行動する自分は時代遅れの人間であるということを。
クロウディアは最高幹部会に呼ばれていました。
そこに呼んでいないサイス=マスターがいました。
「なぜここにいる?」
呼んだのは最高幹部であるレイモンド・マグワイヤ。サイス=マスターの(偏執的)独創性のある提言を求めてのこと。
以後、幹部会にはレギュラーで呼ばれることになると。
一応クロウディアの配下とは言え、クロウディアと事実上肩を並べることになります。


「異論はあるかね?」
「いいえ」
クロウディアは最高幹部マグワイヤの意志を否定することは出来ませんでした。
インフェルノ最高幹部会の議題はトニー・ストーンの新たな動きについて。
トニー・ストーンが始めたインフェルノメンバーに対する身辺調査のことでした。
石頭トニー・ストーンが搦め手で来るのはインフェルノとしても意外でした。
対策はただ一つ、ストーンファミリーと事を構えて叩きつぶすこと。
しかし、その作を取ったとき、無傷で手に入れたかったメラニースクウェアが火の海になるのは必定でした。
そこで異議を唱える者がいました。
サイス=マスターです。彼は、
「私にはトニー・ストーンの迂闊な行動が、千載一遇のチャンスに思えてなりません」


サイス=マスターの提示した作戦は、大胆で効果的なものでした。
作戦の実現を疑問視する声もありましたが、最終的にはマグワイヤが作戦実行を決断します。
「つくづく己の才覚を売り込むタイミングを男だな」
「恐れ入ります」
自ら発案した作戦の実行を認められたサイス=マスターは得意の絶頂でした。
その勢いでサイス=マスターは私邸にてアインを写真に納めていました。
普通の撮影ではない。
物言わぬ灰色のマネキン達と競演の撮影会。
「いいぞアイン、素晴らしい。全くお前は最高の素材だ」
シャッターの音とフラッシュの光がその場を形作る異界の気配さえありました。
サイス=マスターは得意げに一人語り続けます。






「この無意味な混沌に満ちた世界。私の意志が塗り替えていくのだ。新たな秩序。新たな均衡。全て私が組み立てる。この演目では神ですらある。天井桟敷の観客だ!」
無機質な人形に取り囲まれ、その人形達以上に無機質な表情のアイン。
「主役はお前だ、アイン。私の可愛いプリマドンナ」
今はただ、サイス=マスターにされるがままの人形でした。
「撮影会」が負担になっていたのか、ツヴァイが迎えの車を回していました。
「会議、長引いたのか?」
虚ろな目のアインは答えませんでした。


そしておもむろに、
「次の作戦の指示書。後で目を通しておいて。今度は連続ミッションよ。ターゲットは12人」
一晩で12人を仕留める無謀とも言えるミッションでした。
しかし、アインは事も無げにいいます。
「それぞれの分担は難しくない。慎重にタイミングを計る。完璧な連携を心がける」
無謀とも言えるミッションに対して異議を差し挟まないアインにツヴァイは戸惑っていました。
隠れ家の貸しロフトに戻ったツヴァイは作戦の指示書に目を通しました。
アインはシャワーを浴びていました。
このミッションが成功すればインフェルノメンバーの組織内のライバルは消え去り、メンバーは更に高い地位に上り詰める。
そして、アメリカ西海岸の裏社会のパワーバランスが大きく変わる。
「いいのか?ちょっと性急すぎるんじゃ」
「それはあなたが気にするべき事じゃない」
シャワーから上がったアインは全裸のまま頭を拭きつつツヴァイの前に出て会話を続けます。
訓練の時には下着姿のアインに年齢相応に恥ずかしがって目をそらしたツヴァイでしたが、人殺しを続けているうちに人らしい感じ方が無くなっていたようです。
それとクロウディアのおかげで女性の裸に怖じ気づくこともないようです。
「任務の意義ぐらい考えて当然だろ?」
「誰かにそういわれたの?」


アインの一言は鋭かった。
ツヴァイの考えはクロウディアの受け売りであり、アインも実際には分かっていたはずです。
でも、それはいらない考え。
「止めておきなさい。それは私たちの在り方にそぐわない」
「僕たちの在り方って、なんだよ?」
ベッドに横たわってアインは自分たちの生き方を改めてツヴァイに伝えます。
「道具であること。装置であること。私たちは機能しさえすればいい。余計なことを考えてはダメ」
ツヴァイは疑問を続けます。
「なぜそこまで言い切れるんだ。考えることが、僕らの害になるのか?」
アインは悲しい現実を語ります。


「壊れるわよ、私も、あなたも......」
考えれば考えるほど不条理の極みに陥り、まともな考えでは心も体もついて行けなくなる。
それは自分自身を蝕み壊してしまう。そして、アインも例外ではなく、自ら認めています。
ミッションとして子供にさえ手をかけてしまったツヴァイにアインの言葉に対して返す言葉は見つかりませんでした。
ここで面白いな、って感じた事があるんです。
それはキャラの扱い。
第4話でシャワー後のアインはバスタオルを体に巻いていました。
もっとも原作ファンは知っていますが、原作ゲームでのそのシーンでは今回6話同様、実は全裸だったんですね。
もっとも、場面構成を変えて、一人浴室で誰にも言えない恐怖と苦痛に思い悩むシーンで全裸では微妙にシーンのニュアンスが変わってしまう(アップ中心のカメラアングルであればシーンとしては保てたかもしれませんが)
まぁ、本当のところは分かりませんが、私は生みの親と、そうでないシナリオライターとでキャラへの扱いの遠慮があるのかな?って思えたんですよね。
アインとツヴァイの生みの親たる虚淵玄さんは遠慮無くキャラ達を追い込んで本来の形で言うべきことを言わせることが出来る。
誤解無き様に言いますが、言うはずのない台詞を言わせるのではなく、このキャラなら、この状況なら、この姿で言うはずだ、という思い。
それを遠慮会釈も無しに出来る。それは生みの親こそ出来ることと思います。
港にてリズィと部下達がサイス=マスター立案の作戦準備を進めていました。
「準備万端整っているようですな」
「へらへらしてんじゃねぇぞ蛇男」
リズィはどうしてもサイス=マスターという人間好きになれない、というより嫌悪していました。
一晩で12人の警護の厳しいマフィアの幹部を皆殺しにする。
しかも、その後始末もセットで一晩で決着を付ける。
無謀と言うより曲芸に等しい作戦。
所属している組織の仕事はいえ、サイス=マスターの作戦と言うこともあり、リズィは良い気分ではありませんでした。
しかも、上司であり、警護対象であり、親友であるクロウディアは今作戦には参加していませんでした。
サイス=マスターは言うには、
「他の案件があるとかで立ち会えない、と。困ったものですな」


言葉にクロウディアに対して冷ややかな嫌みが混じっていることを感じたリズィはサイス=マスターに噛み付きます。
「クロウディアの采配なら私はどんな危ない橋でも渡ってやる。だが、てめぇの指図に命を張るスジはねぇ」
しかし、サイス=マスターは至って冷静でした。
「こういった形の作戦はますます増えていく。君も身の振り方を考え直す必要に迫られるかもしれんよ。ミズ・ガーランド」
リズィはインフェルノの中でも昔気質な性格で実働部隊を指揮できる立場でありながら親友クロウディアのボディガードを喜んで受けている。
そのクロウディアの側で感じていること。
この目の前の蛇男は今やインフェルノの中でも危険なミッションをPhantomを使ってこなし、その地位を強固なものにしてきている。
その勢いは上司であるクロウディアを追い抜かんとするほどのもの。
それは権力争いに無関心なクロウディアでも感じていたことです。


しかし、リズィとサイス=マスターのきわどい会話はここで終了。作戦開始時間が迫ってきたのです。
「リズィ、時間だ」
「ぼさっとするな、出るぞ」
リズィの率いる部隊はサイス=マスターを残してその場を離れました。
同じ頃、アインとツヴァイも準備が終わっていました。
パーティー会場に潜り込むために、二人は正装していました。
アインはパーティーに相応しくドレスを身につけ、ヘアメイクも施して普段のアインから想像も出来ない美しい素敵な淑女でした。
「行きましょう」
「ああ」
場所は変わってインフェルノメンバー、リチャード・ハリントンが参加しているパーティー会場に移ります。
そこにもトニー・ストーンが放った部下がいました。
リチャード・ハリントンは部下から耳打ちされてパーティー会場から離れます。
怪しい動きにトニー・ストーンの部下が尾行します。
しかし、彼を待受けていたのは「死」でした。
駐車場に出てきたところをサイレンサーを付けた銃でアインが密かに射殺しました。ドレスを身にまとったままで。




アインはサイレンサーを外してリチャード・ハリントンに周りに疑われない自然な動きで銃を渡します。
「フェーズ1完了」
「了解。フェーズ2開始」
アインの手短な状況報告を得て、ツヴァイは次の行動に移ります。
銃を持ち、マスケラを被って。
ダッシュでターゲットへの距離を一気に縮め、射殺して走り去ります。


そして、リチャード・ハリントンは「打ち合わせ」通りに駐車場でトニー・ストーンの部下を暗殺犯として仕留めたふりをします。
ツヴァイが使った銃とマスケラを側に置いて。
これがその夜のアインとツヴァイが放った「大火」の始まりでした。
先の作戦の後、移動したツヴァイは次のターゲット(トニー・ストーンの部下)を仕留めていました。
銃を使わずにワイヤーを使った絞殺でした。
ツヴァイは殺した男の車をそのまま奪い、走り去っていきました。
場所はハイウェイに移り、次のターゲットであるマフィアの幹部の乗った車に対し、リズィとその配下運転する車がさりげない動きで包囲の形を取っていました。
その包囲の最終段階で後続の車が距離を置き始めたとき、さすがにマフィアの幹部も異常な状況に気がつきます。
その直後に前方でトレーラーを運転していたリズィがマフィア幹部の車の進路をふさぎます。
その状況ではマフィア幹部を乗せた車は止まる術しかありませんでした。
「何事だ」
っと幹部が言ったとき、アインの乗るバイクがかなりのハイスピードでその場に突入してきます。
手にするのはM4A1(と思われます)




アインはM4A1を構え、照準を車に合わせます。
ここで意外なことが分かります。
それはアインの瞳です。
アインの瞳はいつもの色ではありませんでした。
ツヴァイと少し色が違うものの、それはまさしく「暗殺者」の色でした。
アインもツヴァイ同様、心と体を「暗殺者」にシフトしなければ人は殺せなかった。
『道具であること。装置であること。私たちは機能しさえすればいい』
そうしなければ生きていけない。そう自分に言い聞かせなければ人は殺せなかったのです。
アインはフルオートでマフィア幹部の乗る車を蜂の巣にします。
アインが走り去った後、今度は車を奪ったツヴァイがそのまま運転する車を蜂の巣にされたマフィア幹部に追突させます。
証拠隠滅の仕上げとして漏れ出てきたガソリンに火を放ちます。
ツヴァイは迎えの車に乗ってその場を去りました。
引火した火が車に燃え移り爆発する襲撃現場。
これで細かい証拠は出てこない。
1次と2次の襲撃はニュースとして報道されました。
それをショーの様に見ている人物がいました。
クロウディアと、ゲストとして案内されていた日本の広域暴力団・梧桐組の若頭 梧桐 大輔と、その舎弟の志賀 透でした。
「大げさね。夜はまだ始まったばかりだというのに」
「まだまだ続くってのか?あんな騒ぎが」
クロウディアは微笑みで返事をしていました。
アインは休む間もなくミッションを次の段階に進めていました。
今度は狙撃ミッション。
アインは難なく1発でターゲットを仕留めます。


その後、ツヴァイが暗殺犯として仕立て上げるための「犯人の死体」を狙撃ポイントに放置します。
クロウディアの言葉が重なります。
「今夜の流血はほんの幕開けでしかないわ。この先に待っているのは本当の弱肉強食の時代。力さえあれば、どんな夢だって見られる世界。そんな生き方にミスター・ゴドー、あなたは魅力を感じるかしら?」


クロウディアの危険なささやきに梧桐組の若頭 梧桐 大輔は不敵な笑みを浮かべていました。
流血の夜は続いていました。
ツヴァイが単独でターゲットを仕留めている時、リズィとその部下達は別の場所で殴り込みをかけていました。


あるターゲットは車爆弾で派手に吹き飛び、ある者はアインの狙撃の餌食でした。
ツヴァイも着替える暇もなく銃一つでターゲットを仕留めていました。
またアインも愛用のコルト・パイソンに持ち替えてターゲットを冷静に仕留めていました。
あの「暗殺者」の目で。
トニー・ストーンは戦慄していました。
内偵として放っていた部下達とことごとく連絡が取れない。
じわじわと首を締め上げられる感覚に陥っていました。
「アントン、何がどうなっている!?アベルもバークも誰も連絡をよこさねぇ!こんな大事になっているというのに......」
マフィア幹部の連続襲撃事件はトニー・ストーンも知るところとなっていました。
『次は自分か?』
そんな思いもあったのでしょう。
そしてそれは、正解でした。
焦るトニーに比べて、アントンは至って冷静でした。
「誰も生きちゃいないさ。鉄砲玉として名を残したんだ。みんな本望だろうよ」
「う、なんだそりゃ?バーク達がやったってのか!?ドン=ゴニーやウーゴの野郎を!」
「誰もがそう思い込むだろう。墓の中までインタビューに行くヤツなんて、いやしないからな」
そして、トニー・ストーンの腹心中の腹心であったアントンがボスであるトニーに銃を向け、躊躇することなく引き金を引きます。
1発目は肩に当たります。
「アントン、なぜ?」


「分からないか?分からないだろうなぁ。石頭のアンタには......」
最後の銃声。
トニー・ストーンはとどめを刺され、事切れました。
そこに意外な人物が現れます。
現職警官のガント。
最後の筋書きは気を許すアントンにトニー・ストーン殺害を任せ、実際に射殺したのは警官であるガントの手柄とする。
ガントはマフィア戦争を終結に導いた功労として15年ぶりに昇進を果たし、アントンはインフェルノから応分の金をもらい、実のところ毛嫌いしていたメラニースクウェアから出て行くことになりました。
全てはサイス=マスターの筋書き通り。
「昨日、一つの時代が終わりました。長らく西海岸の暗黒街を支配してきた6人の老人達は悲運の最期を遂げ、トニーストーンは全ての黒幕と見なされて法の下に裁かれたのです。頭目を失ったそれぞれの組織は、我らの同胞達の手により、新たな時代へと導かれていくことでしょう。インフェルノの名の下に」


インフェルノの事実上のNo.1とNo.2であるマグワイヤとワイズメルは上機嫌でした。
しかし、クロウディアは心中穏やかではありませんでした。
全てが終わった翌日、警官ガントがマフィア戦争を終わらせた功労により表彰されるニュースが流れ、それをツヴァイは見ていました。
「みんな、このニュースを真に受けて、納得するんだろうか......」
普段なら無視する様なツヴァイのつぶやきに、アインは付き合って答えます。
「真実なんて誰も気にしないし、興味も持たないわ」
「あの日死んだ人たちのために誰が祈るんだろう。誰がその罪を償うんだろう......」


「祈りも贖罪もありはしないわ。死は全ての終わり。その後に何を付け足そうと、意味はない」
生きている間こそ全てであり、それは他人の屍を踏み越えて行かなければならない。
二人は意志も、想いも、意義も踏みにじられた世界に生きているのです。
アインが飾った花は枯れ果てていました。
『死は全ての終わり』
アインの言葉を示している様でした。
いやぁ~、凄い回だった。
ターゲットをまとめて皆殺し、ってパターンは映画『ゴッドファーザー』でおなじみの手法ですが、対立マフィアにその罪をなすりつけるとはかなりエグイ方法ですね。
それにアインのライダースーツやパーティードレスに一人盛り上がったのですが、それも舞台に彩りを添えるものであり、あまりクローズアップされることなく流される。
やっぱりPhantomって淡々と殺伐としたお話ですよね。
今回一番驚いたのは文中でも書きましたがアインの瞳。
彼女もまた「暗殺者」にシフトしなければ人を殺せず、また自己を維持することが出来なかった。
実は原作ゲームではこの辺の描写は一切無く、普段の所作で彼女の心情が垣間見える感じでした。
アニメ版のアインは想像以上に多感な人物のようですね。
そういえばPhantom公式ブログ4月15日分に掲載されていましたが、7月24日発売予定のDVD特典ピクチャードラマって「どれも砕けた話?たのしいPhantomといった内容です」とのこと。
キャラが変わっちゃいそうなお話っぽいですが、楽しみですね☆



