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2008年3月30日

●truetears第13話「君の涙を」を見て…

わたし、幸せに慣れてないから・・・

思いっきりネタバレです。
true tears視聴前の方はご注意下さい。

7話以降のレビューが止まっていますが、true tears最終回を見ていて矢も盾もたまらなくなり、ちょっと雑感を書かせていただきます。

乃絵ちゃんも思い悩み考えていたんです今回は病院からお話が始まります。
乃絵ちゃんが自分も飛べるかな?って飛んだ後、哀しいかな現実は病院行きと相成ってしまいました。
眞一郎くんが病院まで連れて行ったようですね。
最初の数分見て気がつきました。
「あれ?true tears元に戻ってるじゃない」
前回のお話はどうしても同じtrue tearsと思えないお話だったんですよね。
10話以降の比呂美ちゃんにしっかり向いたと思っていた眞一郎くんの想いがふとしたきっかけで乃絵ちゃんに逆戻り、しかも少々比呂美ちゃんに距離を置き始めた。
これは正直理解できなかった。
『全然「ちゃんと」してないじゃん』
そう思えたんですよね。
オレは正直おまえが羨ましい・・・それにtrue tearsらしいゆるやかな話のテンポもちょっとおかしくなっていたんですね(それとも僕が眞一郎くんの奇行について行けなかったのかな?)
それが今回では元に戻っていた。
乃絵ちゃんの行動を止められず後悔の念にさいなまれている眞一郎くん。
一見して冷静に状況を見ているものの、実のところ収まりの悪い自分の感情を抑えるのが精一杯な純お兄さん。
それぞれの気持ちが"ちゃんと"わかるんですよね
あ、そうか、眞一郎くんの気持ちが今ひとつわからなかったから前回の話について行けなかったんですね(実は前回12話は話について行くのが辛くて1回見ただけで普段はやっている見直し視聴もしていなかったんです)
物語って見ている人がついて行けなくなる、登場人物の感情が理解できなくなると途端に見ているのが辛くなるんですね。
分かっていたつもりではあったけど、今回ちょっと自覚しました。

比呂美ちゃんは今回も焦ってガンガン行動に出ましたね(苦笑)
そりゃ幼い頃から想いを秘めて、目の前の障害が無くなった、これからは堂々正面から好きになってかまわない。
って思った矢先の眞一郎くんのヘタレ加減(笑)
もう、まわりも見えていない比呂美ちゃんなりふり構わない比呂美ちゃん
わたしの気持ちを感じて・・・ここで感じたんですよね。
人ってやっぱり人なんです(ヘンな日本語です(笑))
神様ではない。
比呂美ちゃんに見えているのはいろいろな経緯で別の方を向いてしまっている好きな眞一郎くんとその視線の先の乃絵ちゃんの事。
比呂美ちゃんは男女の恋愛関係の枠の中で見ていますが、眞一郎くんと乃絵ちゃんのある意味絆はそう言ったものではなかった。
もちろん「乃絵が好きだ」って言いましたがそれは時の勢い。
行き違いの中で生まれた感情であり、雪解けの中で消えていくものだったんですね。
お願いだから私だけを見て・・・でも、比呂美ちゃんはあくまでも男女の仲の枠の中で感情的な行動に出ます。
まわりの視線もなんのその、自分のアパートに眞一郎くんを招き入れ、
『私とあなたは特別な関係よ』
って言わんばかりに眞一郎くんの飲んだコーヒーを飲んじゃいます。
しかも、
「(何されても) いいよ」
って言い出す始末。
しかし、比呂美ちゃんが眞一郎くんに迫れば迫るほど眞一郎くんは引いちゃいます(眞一郎くん「据え膳食わぬは男の恥」って言葉を知ってるかい?(爆))
本当に比呂美ちゃんは焦っていたんですね。
せっかく眞一郎くんと分かりあえた。
これからと言うときに眞一郎くんは乃絵ちゃんの事で心が揺れ続けている。
しっかり自分に向かせたい。
しっかり自分を見て欲しい。
そして、好きになって欲しい。
そんな気持ちの焦りが比呂美ちゃんを感情的な行動に駆り立てます。
比呂美ちゃん自身自分の行動が嫌になりますが、彼女の想いを考えれば、それは致し方のないことと思えます。
それより眞一郎くんがビシッと自分の気持ちを定めきれないのがイカンのです、はい(笑)

あの子は、私と同じ・・・ここでいい意味でやられたと思ったのが一頃true tearsの負の感情を一身に体現していた眞一郎くんのお母さんの存在。
まさか比呂美ちゃんの(最終的に)最大の理解者になると同時に、かつて比呂美ちゃんと同じ感情を抱いた人物だとは思いませんでした。
私はこのお母さんは眞一郎くんと比呂美ちゃんが結ばれるまでの最大級の枷だと思っていました。
しかし、真の存在理由は比呂美ちゃんの感情表現を補完・補強するために比呂美ちゃんのそばにいたんですね。
お母さんって一山越えて比呂美ちゃんへの接し方も柔らかくなり、実のところ眞一郎くんの嫁として認識してる感じですよね(笑)
比呂美ちゃんは眞一郎くんのお母さんのようになりかけますが、彼女自身いろんな人と接し、自ら考え、そして成長します。
それは"愛"は奪い奪われるものではないと言う気持ち。
相手を許し、そして受け入れる。
博愛と恋愛の真ん中の気持ち。
そんな気持ちが彼女の中で育まれていきます。
比呂美ちゃんは眞一郎くんが戻ってくると信じて、乃絵ちゃんの元に向かう眞一郎くんを見送ります。
「うん・・・待ってる」

ホントは、見たいよ・・・人と人との間の事というのはなかなかうまく行かないもので、乃絵ちゃんは乃絵ちゃんで感受性の高い彼女は眞一郎くんの本当に好きな人が比呂美ちゃんであることに気がついていて、自分の強い嫉妬の感情に突き動かされて待ち望んでいたはずの眞一郎くんの絵本を見ようとしません。
眞一郎くんはせっかく描いた本を乃絵ちゃんが見ないことに怒りを見せることなく、見るべき人が見ない、存在理由のない絵本を1枚ずつ紙飛行機にして海に捨ててしまいます。
でも、乃絵ちゃんも来てしまいます。
やはり、待ち望んでいた絵本が本当に気になるし、なにより眞一郎くんが好きだから・・・。

はい、あなた眞ちゃんの嫁に決定ね(笑)眞一郎くんに思いを馳せながらも待つことしかできない比呂美ちゃんに意外な応援がやってきます。
眞一郎くんのお母さんです。
オフェシャルな訪問理由は「ブリ大根のお裾分け」
本当の訪問理由はかつての自分と同じ感情を持つに至ってしまった比呂美ちゃんを心配しての訪問だったんですね。
このお母さんは比呂美ちゃんよりも沢山人生経験を積んだわけで、比呂美ちゃんの気持ちを知っている以上うるさくあれこれしたりしません。
ただ、見守るだけにとどめます。
そして、一言だけ添えます。
「待つのって・・・体力いるのよね」
全てを見て取って、そして比呂美ちゃんを静かに応援してくれている。
自分を理解し、応援してくれている人がいる。
比呂美ちゃんは心の芯が少し暖かくなったのでしょうね。
彼女も短くお礼を言います。
「ありがとう、ございます」
比呂美ちゃんもこの瞬間に理解したと思います。
『この人も同じだ。この人も今の私と同じ気持ちになったことがあるんだ・・・』
二人の女性が同じ気持ちを理解し、心が通じた瞬間でもあったんですね。

二人だけの最後の時間乃絵ちゃんと眞一郎くんは近くの小屋風のバス停で暖を取ります。
据え置きのストーブの暖かみに二人の表情には笑みがこぼれます。
別離の時間が迫ってきていることを感じつつも・・・。
乃絵ちゃんと眞一郎くんは紙飛行機になった絵本を拾い集め、乃絵ちゃんをそれを読みます(このとき既に乃絵ちゃんの面差しは大人びています)
でも、最後の1枚がなかった。
ここでちょっと意外なことを乃絵ちゃんは言いますね。
「いいの。飛ぶことが出来た雷轟丸がその後どうなったのか自分で考えてみる」
物語の続きをねだっていた少女が自ら考えると言った。
乃絵ちゃんも自ら思い悩み考え、そして彼女も成長していたんですね。
ここで眞一郎くんは正直な気持ちを吐露します。
自分は比呂美ちゃんが好きであると。
でも、絵本が描けたこと、そして麦端踊りがしっかり踊れたことも乃絵ちゃんのおかげであると。
彼もこの葛藤を経て一歩大人になります「オレは比呂美が好きだ。でも、おまえを見てると心が震える・・・」
彼はその感情の狭間で揺れ動いている心情を正直に乃絵ちゃんに話します。
乃絵ちゃんもまた静かにその気持ちを受け止めます。
しかし、乃絵ちゃんの方が気持ちはしっかりしていました。
「眞一郎が、わたしが翔べるって信じてくれる。それがわたしの"翼"」
眞一郎くんは比呂美ちゃんのことが好き。
でも、乃絵ちゃんにも想いを寄せていてくれていた。
生まれて初めて自分のことを"好き"と言ってくれた。
別れちゃうけど自分を信じてくれている。
乃絵ちゃんはその想いを胸に、一人立って歩み始めることを選びます。

私を・・・信じて

来て・・・くれた?待っている君のもとへ来たよ
本当に来てくれた・・・乃絵ちゃんと別れた後、眞一郎くんは比呂美ちゃんのアパートに向かいます。
しかし、彼女はいなかった。
比呂美ちゃんは雪の降り積もる竹林にいました。
あの、幼い日の思い出の場所です。
眞一郎くんの姿を認めたとき、比呂美ちゃんは喜びと驚きで言葉を失っていましたね。
何を話していいのか分からなかったのか比呂美ちゃんは180度開脚の話をします(眞一郎くんを待っている間にやってたことですが(笑))
彼女は絵本の話もしますが眞一郎くんは気持ちの全てを涙と共に整理してここに来ていました。
彼は単刀直入に比呂美ちゃんに言います。
「付き合おう」
・・・突っ張りはなしね(爆)今は少しあなたに甘えたい・・・
ちょっと、そんな嬉しいこと言わないで、涙が止まらなくなるから・・・心底待ち望んでいた眞一郎くんの口から出た言葉だったのに比呂美ちゃんは思わず、
「いや」(ここ、なんだか比呂美ちゃんが可愛いのです!)
「付き合おう」
「いや!」
比呂美ちゃんはちょっぴり頑なになっちゃってます。
でも、
「おまえにはいつでも(絵本を)見てもらえる。これからはずっと、隣にいるんだし・・・」
「ずっと、隣にって・・・何それ?プロポーズみたい。まだ、付き合うOKしたわけでもないのに・・・」
ちょっと拗ねていた比呂美ちゃんですが、涙を流す比呂美ちゃんの表情は告白を受けて喜びでいっぱいでした。
『君の涙を僕はぬぐいたいと思う』
眞一郎くんのいつものモノローグが始まりますが、今回は違っていました。
まっすぐ好きな比呂美ちゃんを見つめて、
『今の僕には、それが出来る』
好きだけじゃない。
好きな人を支えて共に生きてゆく決心をした眞一郎くんの心の声でした。
そして、眞一郎くんは比呂美ちゃんを抱きしめます。
私はこの時をずっと待っていたんだ・・・もう僕は迷わない。君を離さない。
その意志の強さのように、強く強く比呂美ちゃんを抱きしめます。
その時、やんでいた雪が優しく降り始めます。
「あ、雪・・・」
嫌いになっていた雪でしたが、きっとこれからはまた好きになるでしょう。
雪が降るたびに告白してもらった嬉しい気持ちを思いだして・・・。

雪は好き・・・

元気になった乃絵ちゃん。よかったね。今なら涙の意味が分かるよ
最後に比呂美ちゃんのセリフが欲しかったな・・・物語は足早に進み、見ているわたし達と同じ桜の季節を迎えていました。
ここでちょっと嬉しいことがあったんですね。
「おはよう乃絵!」
って声をかけた女生徒に足の怪我も治った乃絵ちゃんが元気に駆け寄ってきます。
乃絵ちゃんに友だちが出来ていたんですね。
彼女の表情も明るくなっていました。
乃絵ちゃんは眞一郎くんとの出会いと別れを経て人を受け入れることが出来るようになっていたんですね。
これは嬉しかったですね。
そんな乃絵ちゃんを嬉しそうに見ている人物がいました。
他ならぬ眞一郎くんです。
彼は乃絵ちゃんのおばあちゃんの真意を悟ります。
『人は本当に大切な人の涙をもらってあげることが出来る。乃絵、きっとおばあちゃんはこう言いたかったんだ。本当に大切な人を想うと、勝手に涙はあふれてくる。その本当の涙を知ることが出来ることは・・・』
そして、乃絵ちゃんは眞一郎くんから聞くことなくこの事を自ら悟ることになります。
比呂美ちゃんは元気にバスケ部で頑張っていました(眞一郎くんとの仲もうまくいっていて公私共々充実って感じでしょうね)
今でもここは私のお気に入りの場所思い出の欠片
ラスト、乃絵ちゃんは鶏小屋の前に立っていました。
慈愛を込めた瞳で地べたを見て、そして思い出の欠片となった石で書かれたメッセージを眺めます。
心が震え、わき上がってきた想いに乃絵ちゃんはついに涙します。
そのきれいな涙は柔らかい春風に運ばれていきました。
涙は風に運ばれて・・・キラキラ光る

いやぁ~、12話では作画崩壊ならぬシリーズ構成崩壊、シナリオ崩壊、果てまた主人公崩壊かいな!って無茶苦茶不安でしたが、true tearsは収まりよく終わってくれました。
でも、なんだか寂しいですね。
もうtrue tearsが見れないんですから。
実はDVDのVol.1を買ったんですね(まだ見てません)
でも、
「次のtrue tearsはどうなるかな?」
って気持ちはもう味わえない。
サービスカット?(笑)原作付きアニメも好きですが、オリジナルストーリーのアニメは先の見えない醍醐味があるんですよね(true tearsも原作はありますがもはや別物です)true tearsは近年希に見る秀作でした。
作画、演出、演技、音楽、全てが渾然一体となって見ているわたしの感情を連れて行ってくれました。
今にして思えば困惑の12話は1話丸ごと使って眞一郎くんの比呂美ちゃんと乃絵ちゃんの間で揺れ動く眞一郎くんの心の混乱を描いたように思えます。
そして、13話で見事に終わることが出来ました。
奇をてらうことなく、王道の終わり方でしたね。
物語は如何に始まり如何に終われるか、それは非常に重要です。
true tearsは日常ドラマの枠を越えることなく静かに始まり、静かに終わりました。
良い作品でした。
制作元のP.A.WORKSは今後も良作を作り続けるでしょうけど、この『true tears』はP.A.WORKS最初にして最高傑作の評価を長く維持するんではないかな?って思えます。
true tearsをリアルタイムで見れたのは本当に幸せでした。

本当にありがとう
P.A.WORKSの皆さん、声優の皆さん、関係者の皆さん、良い作品をご提供下さり、
本当にありがとうございました。