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2009年4月26日

●Phantom 第4話 「暗殺」 レビュー

私は自分を知ってしまうことが、怖い

今回はアインとツヴァイの「普段」の行動を描いたエピソード。
無論、二人が動くときは常に人の血と死がつきまといます。
しかし、その中で二人はお互いを違う方向から意識してしまいます(未だ恋愛感情にあらず)
今回は二人が行う暗殺ミッションと互いの存在が強く意識されてしまう事を丁寧に描いたエピソードですね。
そして、アインがかな~りファンサービスする回でもありました(笑)

アインはサービス精神旺盛です(笑)さて、前回までの荒涼とした土地から一転して場所は街中のショッピングモールに。
水着売り場で冴えない顔で待っているツヴァイを迎えたのはファンサービスとしか思えないアインの水着の試着姿。
「どう?」
アインの意外にグラマスなプロポーションと、その恥じらいの表情に別の意味で打ちのめされたツヴァイ、答えに窮して素のままで反応してしまいます。
「ああぁ、似合ってる……と、思う」
「むぅ、別のにする」
ツヴァイは「ヘタレな彼氏」という役は上手そうだ(笑)レアなアインの拗ねる表情(可愛い)
アインが恥じらい、あまつさえ可愛く拗ねてます!(いったい何事か!?もう駆け落ちしたか?それともデフコン1か!!←ンな分けないじゃん(笑))
……とにかく異常事態です(笑)

アインはまるでデートに浮かれる少女みたい「ほら早くする!時間には限りがあるんだからね」
「ああぁ、わかってる」
アインはツヴァイの腕を取ってまるで初デートに浮かれる女の子のようにツヴァイをリードします。
途中でクマのぬいぐるみを買い、別の階に移ってはツヴァイを連れ回していました。
端から見れば年頃のカップルの楽しいデートにしか見えません。
このヘンクチャなワンちゃんの置物も意識のトリガーに……「この犬の置物、可愛いなぁ」 「え゙、マジ?」
ツヴァイは途中で買い物客であろう女性と腕がぶつかってしまい、その女性が手にしていたアイスが落ちてしまいます。
「弁償します」
「……バカ」
とにかく今回はアインのいろんな表情が見れます♪二人にとっては珍しい普通の人との会話
ここでもアインは表情豊かに愚痴ります。
結局、その女性には手持ちのコーンタイプではなく本格的なデザートタイプのアイスをツヴァイはごちそうします。
ここでも二人は普通の人のように振る舞い、緊張感もなく、その女性に対して気配りをします。
しかし、ここでだんだん状況が見えてきます。
とっさの演技力が凄いアイン普通なら学校に通う年齢である二人が平日にショッピングモールを歩き回っている。
アイスをごちそうしている女性からそれを言われるとツヴァイは言葉に詰まりますが、アインは学校の創立記念日のパーティーをサボっていると即興の作り話を女性に言います。
その女性と別れた後、ツヴァイは、
「ごめん」
自分の演技力を無さを責めるようにアインに詫びます。
しかし、アインの行動は違っていました。
「口にアイス付いている。そそっかしいんだからウォレスは……」
アインの行動に素で驚くツヴァイ今の私は、私じゃないのよ
アインは恋人のようにかいがいしくツヴァイの口元を拭ってあげますが、それは完璧に今の自分に科せられた人物を演じきっている行動の結果。
これには実のところ仮初めの平安を味わって、いつにないアインの可愛らしさに戸惑っていたツヴァイを現実の底にたたき落とします。
ツヴァイも今は偽りの身分「ウォレス=楊」を演じていたんです(前回ツヴァイが殺したウォレス大尉の本名)
ただ、演技の中であってもアインの瞳は何か愁いを帯びたものがありました。

ぬいぐるみから取り出したのは何かな?帰り道、ツヴァイの運転する車の中でアインはいつもの無機質な雰囲気に戻ります。
「モールの構造は把握した?」
「頭にたたき込んだよ」
「メインストリートにある防犯カメラの数は?」
「68。死角はそれなりにあるけどミッションには向かない」
「迂闊に他人とかかわらないで」
「すまない」
「戻ってミッションの検討をしましょう。荷物もそろそろ届くだろうし」
「了解」
二人のデートはまさに暗殺ミッション(ダラス・マフィアの大ボス、ドン=ルシオ暗殺)の下調べだったんですね。
疑われずに現場を見て回るには年頃のカップルのデートでカモフラージュするのは理にかなった行動だった訳です。
演技が下手というのは、まだ自分があるって事よアインは一言印象的なことを言います。
「ツヴァイ……演技、下手ね」
このアインの言葉は彼女自身、ペアを率いる立場としての言葉と言うより、むしろ自分の心にある思いが言葉として出てしまったように思えます。
他人を演じきれる自分、演じ切るに至っていないツヴァイ。
しかし、彼はまだ全てを切り捨てて自分自身を傍観者として見つめることが出来る暗殺者ではない。
普通の人の感覚と、暗殺者のそれとを行き来している。
まだ、完全な暗殺者ではない。
振り返る過去もない自分。不完全でも過去の記憶を持ち、アイデンティティの欠片を持っているツヴァイ。
この先を生きていくためにはツヴァイも自分のようにならなければならない事実。
その反面ツヴァイに対して羨望の念もある。
アインは自分で自覚している以上に不安定な心理状態にあるようです。

アインが出かけている間、ツヴァイはホテルの部屋で電気も付けずに一人思いを巡らせていました。
自分が偽りの名「ウォレス=楊」として存在していること。
ウォレスを殺した後、アインと共に何人も殺した事(原作では4人)
今の僕は「ウォレス」偽りの存在だ今回のターゲット、ドン=ルシオ
今回の暗殺ミッションのターゲット、ドン=ルシオを狙うために行く予定であるショッピングモールを下見していたこと。
っとその時、荷物を受け取りに行っていたアインが部屋に戻ります。
「贈り物よ」
中身はアイン用にコルト・パイソン、ツヴァイ用にベレッタM92FSが入っていました。
アインにあってユーモアというものはないよく考えたらかなり重量のある「贈り物」です(笑)
「ターゲットが現場に到着するのは、明日の午後3時前後。それまでに私たちはそれぞれ最適の場所に配置につく」
ツヴァイは正しい答えを出すわ「君の思う最適の場所は?」
「あなたが決めて」
「また、テスト?」
「マスターに言われてるの」
二人は夜の街に出て暗殺ミッション最適配置を検討します。
「襲撃は護衛が少なく、人目に付かない場所がいい」
「それはどこ?」
「答えは一つだ」
二人は意識していませんが、お互い貴重なパートナーなんですよね楽しそうな食事でも、中身は血塗られた会話
歩き回り、夕食の後、二人は夜のプールに行きます。
ここでツヴァイは最終的な答えにたどり着きます。
「ターゲットと護衛が気を緩める瞬間……それは」
プロポーションもいいけど、水着も凄いアイン(笑)暗殺者ツヴァイの瞳
私はその瞳が怖い怖いくらいに正解よ
ツヴァイの瞳が暗殺者の色に変わります。
「!」
アインは動揺します。
「もういいわ。正解よ」
言わずともわかる。あなたの瞳が答えを示している。
私と同じ暗殺者の瞳のあなたなら、私と同じ答えを導き出しているはずだから。
そして、出来ることならその瞳のあなたを私は、見たくないから。
…………………………ハズレかな?(笑)不安だけが募っていくアイン
「そろそろ戻りましょう」
アインの暗殺ミッション構築セミナーは終了します。
彼女の戸惑う感情を内包しながら。

ターゲット確認翌日、ターゲットであるドン=ルシオはショッピングモールに現れます。
すでに二人はショッピングモールに入っており、個別行動を取っていました。
しかし、ファミリーの兵隊総動員の警護体制ではドン=ルシオに迂闊に近寄れません。
偶然にもドン=ルシオ側が動き、アインにかなり近い距離に来ます。
でも、アインはそこで個人的な反応をしてしまいます。
ドン=ルシオが孫娘に買おうと手にしていた犬の置物(なのかな?)はツヴァイと仮初めのデートの中で一緒に見て話題にした置物でした。
そこでフラッシュバックするデート中のツヴァイ。
アインも実のところデートを楽しんでいたようです。
それはツヴァイが……思い出が一つ消える
過去の楽しい思い出と、今自分がやろうとしていること、そのあまりのギャップにアイン自身、戸惑いを押し殺すことは出来ないようでした。

ドン=ルシオの側近は見た目は愛らしいアインに気がかりな点を感じたのか尾行を始めます。
アインもそれに気づき、ツヴァイを応援に呼びます。
アインの外見に惑わされないトレーサー達ホントはアインはこの店で水着が買いたかったのでは?(笑)
『(携帯電話で)ターゲットを確認。でも、マークされた。こっちにトレーサーは二人。ごまかすから手伝って。エレベーター前の噴水。走って』
アインの待つ噴水前に駆け寄ったツヴァイを待っていたのはアインの軽い平手でした。
鉄拳制裁!(笑)痛いけど……気持ちいい(爆)
さぁ、たかりタイムよ(爆)「!」
「何分待ったと思ってるの?もぅ、一人で見て回っちゃったわよ」
「……ごめん」
まさに若いカップルの痴話げんか。
周りの人々の失笑の中、アインの怒りの声が響きます(笑)
最初は突然のことで戸惑っていたツヴァイもアインの意図を見抜き、デートに遅れてきたボーフレンドの役を演じます。
……アインって結構筋肉質なんだよな(爆)「言い訳なんか聞きたくないから。で、今日無駄にした1日、どうしてくれるの?」
「だから……」
「返事によっては帰るから」
「わかったよ。今日の買い物全部持つから」
「ディナーも?」
「いいよ」
そこで明るい表情になったアインはまるで本当の恋人同士のようにツヴァイに抱きつきます。
またツヴァイもアインを優しく抱きしめます。
生きるためには「仕事」をしなきゃいけないのそれが僕たちの道か
好きじゃないけどねここでアインを追跡していたトレーサー達も付き合いきれないとばかりに自分たちの守るべきドン=ルシオの元に戻ります。
二人は抱きしめ合ったまま、周りに聞こえない「恋人の距離」で作戦を確認します。
「ターゲットは南モールのアンティークショップ。迎えの車は南出口に回される」
「続行するのか?」
アインは返事をする代わりに、ツヴァイの胸に顔を埋めるだけでした。

二人は店員の隙を見計らって従業員用通路を使って裏手に出ます。
そこはドン=ルシオが出てくる南出口への最短の場所、そこで二人は襲撃の準備をします。
私たちは暗殺者「用意はいい?」
正体を隠すためにマスケラを被ります。
「ああ」
「アタックは私が、バックアップをお願い」
「了解」
ミッションの際の二人の会話は必要最低限に抑えられます。
余計なことを言う必要もないし、緊張をほぐすためのジョークもこの二人には必要ありません。
ここでツヴァイが導き出し、アインが正解とした襲撃のタイミングがツヴァイのモノローグで語られます。
『ターゲットと護衛が気を緩める瞬間』
それはドンが安全な防弾仕様の送迎車に乗り込み、役目を終えた護衛達が安堵に緊張をゆるめる瞬間こそが最良の襲撃チャンス。
その瞬間を見極め、アインとツヴァイは建物の陰から躍り出て、一気にドン=ルシオの元に突進します。
護衛達はツヴァイによってあっさりと射殺されます。
冷静にバックアップをつとめるツヴァイ必殺の防弾殺し
走り出したドンの乗る防弾車にアインは取りつき、防弾仕様のフロントガラスにKTW徹甲弾を6発立て続けに撃ち込みます。
さしもの防弾ガラスも1点集中の銃撃には耐えられず、防弾ガラスに穴が空き、最後の1発が運転手を撃ち抜きます。
運転手を失った防弾車は制御を失い停止。
中にいた護衛も車から出たところでバックアップのツヴァイに射殺されます。
冷静にコルト・パイソンの弾を装填したアインは躊躇することなくドン=ルシオを射殺しました。

アインにも隙が……しかし、アインもまた暗殺ミッション終了で迂闊にも気を緩めてしまい、周りの状況を一瞬見逃してしまいます。
アインに向けて放たれた銃撃から彼女を守るために、ツヴァイは身を挺して彼女をかばいます。
ツヴァイはそのために彼女の後に回ってアインをかばいますが、その瞬間までアインはツヴァイが後に来ていたことに気がつきませんでした。
「!」
後を取られた!ツヴァイの抱き留め方が心なしか優しい
あなたは……早すぎるわ短期間で自分の後を取るまでに急速に暗殺者として成長してしまったツヴァイ。
そのツヴァイの向こう側に自分の見たくないもの、知りたくないものがあることに気がついている。
アインはこの刹那の瞬間に不確かな不安を感じていました。
アインを銃撃から守ったツヴァイはそのままドン=ルシオの護衛達との銃撃戦に入ります。
アインは先ほどのショックから抜け出せないのか彼女らしくなく反撃もせずにツヴァイの瞳に見入っていました。
思わず感情的に目を細めてしまうアイン。
反撃出来ないでいるアイン私と同じ瞳
……いや『私もミッションの時にはあんな瞳をしているの……いや』
そうアインが思っているように感じました。
そこに思わぬ応援が入ります。
サイス=マスター本人が派手な真っ赤なBMWのコンバーティブルに乗って現れます。
「さぁ、幕引きだ」
ツヴァイは車に用意してあったウズィ=マシンガンを、アインは再装填したコルト・パイソンでドン=ルシオの護衛達に弾幕のような銃撃の挨拶をしてその場を去っていきました。

「ご苦労だったな。二人とも」
サイス=マスターの型通りのねぎらいの言葉がありましたが、アインとツヴァイ、二人の思いは別のところにありました。
ツヴァイを見つめるアイン。
アイン、僕に気があるのかな?(笑)ある訳無いでしょ(爆)
「何?」
「何でもないわ」
アインは先ほどのツヴァイに助けられた際に感じた事を引きずっているようでした。
でも、そう感じられたツヴァイもアインに対して感じていることがありました。
演技とはいえショッピングモールで見せたあのまぶしいほどの笑顔と怒り、そしてその仕草。年頃の女の子然としたアインの姿。
本当はあの姿こそがアインではないのか?普段の無口な姿こそが偽りの姿ではないのか?
そう思いを巡らせている内に今度はアインがツヴァイからの視線に気づき、
ツヴァイ、ホントは私に気があるのかしら?手を出したら殺されるに決まっている(爆)
僕もこんな表情が出来たらな(苦笑)「何?」
「いや、何でもない」
アインの視線から逃れるように落とした視線の先には先ほどの暗殺ミッションで使ったマスケラがありました。
『アイン、君の本当の顔はどれなんだ?』
ツヴァイの疑問にマスケラは答えてくれるはずもありませんでした。

アインとツヴァイはその夜に飛行機で戻ることとなりました。
なぜか手にしていたのよ空港ロビーで登場予定機を待っている間、なぜかアインは旅行パンフレットをいくつか持ってきていました。
「興味、あるの?」
「特にないわ」
アインも理解していませんでした。
その旅行パンフレットに自分の記憶の底にあるイメージが重ねられ、つい手に取ってしまっていたことを。
隣に座っていたアインはツヴァイの肩にもたれかかってきました。
こ、これは役得?(笑)人の縁は不思議なものです
戸惑うツヴァイに思わぬ人物が声をかけてきます。
ショッピングモールで会ったアイスを落としてしまった女性です。
「彼女、待ち疲れちゃったのかな?」
しばらく何気ない会話をした後、その女性は去っていきました。
女性が去った後、アインは目を開け、一言評価しました。
さりげなく嘘の演技が出来るようになったツヴァイいい演技が出来ると言うことは、
「今のは、いい演技だったわ」
今ミッションでの課題だったツヴァイの演技への簡易テストだったようですが、アインの表情を見ると、それだけではなかったように思えます。
アインのツヴァイに対するあらゆる感情はますます混迷の度を加えているように思えます。

ここで少しだけアインとツヴァイの今の暮らしが少しだけ紹介されますね。
二人が隠れ家としているのはロサンゼルスのコリアタウンの貸しロフト。
洗濯は近くのコインランドリー。
お気に入りの下着?アインはあの色が好みか(爆)
仕事道具の整備に余念のないアインこのシーンは何気ない生活感があってほほ笑ましかったのですが、次のシーンではやはりと言うべきかアインのコルト・パイソンのメンテナンスでした。
アインは丁寧に銃身を清掃している脇で、ツヴァイはテレビを見ている。
仕事の時以外はお互い年頃の男女でありながら何一切干渉しない暮らし。
『犬小屋で、ただ役目を待っている猟犬が二頭。それが今の僕たち』
それが二人の日常です。
しかし、お互い干渉しない暮らしをしていても、その存在は互いに影響し合っています。
ツヴァイから見れば全ての感情を押し殺し、冷徹に殺し屋としての役目を遂行しているアインもまたツヴァイから有形無形の影響を受けています。
窓のそばに立つツヴァイをシャワーから上がった(のかな?)アインが後から見つめていました。
なぜ、そんなサービスカットをするんだ(笑)もちろん、視聴率稼ぎよ(爆)
「どうした?」
「何でもないわ。気にしないで」
その役割上、お互いの胸中を語り合うという至極当たり前の思考がアインにはありません。

ここに来て初めてわかりやすい形でアインの胸中にある不安と恐怖が描かれます。
それはツヴァイを経て見る自分自身との対峙。
『マスターの言ったことは正しかった。彼は私が2年かけてたどった道を3ヶ月で駆け抜ける』
浴室は一人になれる空間私は私の手で、もう一人の私を育てている
アインは今までのツヴァイとの訓練を思い出していました。
『彼は、かつての、私……もう一人の、私』
アインはツヴァイを通して自分の記憶している2年間の記憶の再現を見ているような感覚を覚えていました。
記憶を失った悲しみ。そして生きていくことの苦痛。
それがやがて魂を蝕んでいく絶望もまた。
ツヴァイの苦痛を一番理解し、共感しているのもまたアインでした。
私は……あなたが怖い
『……怖い。真実。私のありのままの姿を見てしまいそうで……』
それは今の自分が壊れてしまうことと同義語です。
『あなたの瞳が……怖い』

端から見ればウィンドウショッピングを楽しむ普通の女の子今回は色々贅沢なくらいに盛り込まれて良い回でした。
アインのサービスショットもございましたし(笑)演技とはいえ表情豊かなアインも見れました♪
アインの声を担当している高垣彩陽さんも本領発揮というか、のびのびと演じられていましたね。
アクションシーンはドン=ルシオの護衛が少々ヘタレではありましたが(笑)アインの至近距離からの銃撃がかっこよかった。
アニメ版のアインって原作ゲームに比べて感受性が高くなっちゃってますね。
もう、ツヴァイの存在に影響受けすぎ。
暗殺ミッション遂行中って言うのに銃を持つのを忘れてツヴァイに見いちゃってます。
アインの世界アニメのアインは優しすぎる
これじゃPhantomの称号を早々ツヴァイに取られかねません(笑)
※ちなみに原作ゲームではしっかり戦っていました。
でも、一人では感じなかった事が鏡の中の自分のような存在であるツヴァイが現れたことでその精神の均衡がきわどい状態になってしまう。
全てを切り離せば生きていけるのよ……でもアインは何も感じない、何も考えないのではなく、その自分自身の絶望を深く静かに押しとどめることで今を生きてきた。
その生き方を再考させる存在がツヴァイなんですね。
ありのままの自分を見てしまう。その先に何があるのか、アインは見当も付きませんし理解できません。
わからないからこそ怖い。
おそらく自分が壊れてしまうことはうすうす予見していると思います。
アインの苦悩はまだまだ続きます。

最後に大きな意味を持つモンゴルの観光パンフレット

2009年4月18日

●Phantom 第3話 「実践」 レビュー

これであなたは何もかも変わってしまうわ……

さて、今回はいよいよツヴァイが普通の人間として越えてはならない一線を越えてしまうのエピソードですね。

原作の話も書きますのでこのレビューはネタバレ込みです。ご注意ください。

夢の続き……最初『実践』ってタイトルを見たとき、違和感を覚えたんですね。
ツヴァイが「現実に人を殺す」経験をする訳ですから本当の戦いである訳で、ここは『実戦』となるべきなのではないか?そう考えたのです。
そこで『実践』を辞書で引いてみると、
[実践:実際に行うこと。理論や理念を行動に移すこと。実行。]
なるほど、と思いましたね。
『実戦』であれば戦闘や戦争といった範疇に入ります。
しかし、殺すという行為は戦闘ではなく相手を不条理な状態(つまり『殺す』)にしてしまう行為であって、必ずしも「戦闘」と言った言葉に全て当てはまる訳ではないんですね。
『実践』とエピソード・タイトルはアインに受けた訓練・知識をまさに『実践』する回だった訳なんですね。

私って前振り長いっスねぇ~(笑)
さて、本編ですが、クロウディアの屋敷から物語はスタートします。
ここでははっきりと言いませんが、クロウディアがパスポートの写真に写るツヴァイを通して思い出している人物、ロメロとはクロウディアの実の弟のことです。
私って贖罪の余地はないわね。生き急いでしまったロメロ
『ロメロ。もし生まれ育った国が違ったら、あなたもこんな穏やかの顔でいられたのかしら』
裏社会を猛然と駆け抜けて短い命を終えたクロウディア唯一の家族だったロメロ。
クロウディアはついツヴァイをロメロと重ね合わせて見てしまう。
それがツヴァイに対して向けてしまう個人的な感情なのでしょう。
彼はもうこんな風には笑えないメキシコへの出張(?)前のリズィとのやりとりで、
「(パスポート写真ツヴァイ)この子に人が殺せると思う?」
「冗談だろ?虫も殺せそうにねぇよ」
「そうね、やっぱりそう思うわよね」
自分はそんな穏やかな面差しの少年を血塗られた道に押し出そうとしている。利用しようとしている。
クロウディアは自覚しています。自分はすでに地獄に堕ちていると。

外で訓練しているのは地面にたたきつけられることを前提にしているため一方、もっか「アインの正しい暗殺者養成講座」受講中のツヴァイはナイフ戦の模擬戦による訓練を受けていました。
剥き身のナイフによる模擬戦でしが、ツヴァイのナイフはアインに届かず、いいようにあしらわれます。
そして、そのアインの動きの中で初めて会ったときのナイフ戦ではアインが手加減していたことを理解します。
未だアインはツヴァイにとって越えられない大きな壁です。
しかし、偶然がツヴァイに味方します。
アインがツヴァイのシャツの襟首を掴んで投げようとしますが、訓練でぼろぼろになったシャツが千切れてしまい、その結果ツヴァイはアインの後を取る格好になります。
ツヴァイはアインを締めにかかりますが、途中でその行動を止めてしまいます。
ツヴァイはまだ隙だらけねアインの髪の香り……
ここでもはっきりと描かれていませんが、ツヴァイはアインのこの場に相応しくないアインの髪の香りと腕の細さに、今こうして組み絞めているのは年頃の少女であることに気づかされてしまうんですね。
でも、アインは暗殺者。今こうしていることもツヴァイを暗殺者として育てるための訓練。
アインはツヴァイの気持ちを意識することなくツヴァイの油断を見て取って反撃します。
「ナイフを持たせたまま絞めに持ち込んでどうするの」
『いえ、あなたの色香にほだされていました』
とはさすがに言えないツヴァイでありました(笑)

気がつけば、本作品において何となくアインが体を張ってお色気担当をしてますが(笑)今ひとつの感があります(爆)
さて、お出かけと言うことで身支度をしてますがツヴァイの前で思いっきり着替えてます。
下着を身につけずにいきなり服を着ています。
なぜか色気のないアインの着替えシーン手を出したら殺される。手を出したら殺される。手を出したら殺される。
ツヴァイは目線を向けますが、
「ん?」
「……いや」
全身これ凶器のアインには劣情を持っても如何ともしがたいものがあります(笑)
しかし、アイン(サイス=マスター)の調教のたまものか、ツヴァイはそういった感情はアインに持たず、ただ「人を殺しに行く」を言う大きな未知の感覚に戸惑っていたようでしたね。
でも、今日のアインは私服。外出の目的は殺しではなかったんですね。

この変質ぶりがサイス=マスターの醍醐味です(笑)そして、迎えの車に乗って着いた場所。それはサイス=マスターの私邸でした。
サイス=マスターはお気に入りの銃の手入れをしているところでした。
原作ではサイス=マスターは斬新なデザインや独創的なデザインの銃器がお気に入りで、それらを年代順に手入れをするのがサイス=マスターの楽しみだったんですね。
アニメ版ではそれらを省略して最後に手入れをする銃、AMTオートマグ180のみの描写となっています。
「アイン、来なさい」
ここではサイス=マスターは称号としてのファントムとは呼ばず「アイン」と呼んでいます。
これは彼女をサイス=マスターが個人的な所有物として扱うときのもの。
サイス=マスターは自ら作り上げた最強の凶器=アインの手入れをします。
香油をたっぷり手につけ、自ら全裸となったアインに塗り込んでいきます。
ここでサイス=マスターはアインの暗殺者としての完成度を確認します。
気にしちゃダメ。気にしちゃダメ。気にしちゃダメ。気にしちゃダメ。やっぱり深夜放送はいいですなぁ~♪
二つの芸術的な凶器の競演「誰も見抜けない。白く柔らかいこの肌に覆われたかくも危険な凶器」
鍛え抜かれた筋肉、しかしそれを覆い尽くす躰のラインによりアインは外見上可憐な少女に見えます。
アインと相対した者はその内に秘める凶器とも言える戦闘能力に気づくことなくアインの必殺の死を与えられてしまう。
繊細な美しさとどう猛な破壊力が共存するアイン。
「アイン、おまえは完璧だ。私が育て、私が作った。完璧な素材だ」
アインはサイス=マスターが自画自賛する自らの最高傑作なんですね。
「私はこの完璧さを永遠のものにしたい。ツヴァイを仕上げろ。おまえの手で。おまえのように完璧に」
「はい」
サイス=マスターはアインを完璧な暗殺者として作り上げましたが、アインの内なる心までは完全に把握していなかったことを知るのはまだ先のことです。

アインはツヴァイの訓練場である廃工場に戻って来るなり、
「来て、準備をしておかないと」
そして、ツヴァイが呼ばれた場所は武器置き場でした。

本当は暗殺者は銃器を選ぶべきではない

「今日までで一番扱い慣れたと思う銃を選んで」
「え、また訓練?」
「いいえ、今夜は"試験"よ」
まだ人を殺すことになるとは思っていないツヴァイ今夜、何もかも変わってしまうわ
試験という言葉を聞いてツヴァイは気合いを入れているようでしたが「人殺しの試験」と言うものがどういうものか、彼自身考えがその先まで及んでいないようですね。
暗殺者ツヴァイ誕生に手を貸すことになろうとは……しばらくして連れてこられた人物は現役ネイビーシールズ隊員ウォレス大尉。
長年インフェルノに武器の横流しをしてきたものの、欲を出してテロリストにも武器を横流ししてしまい、それが元でFBIにマークされるハメになります。
そこでインフェルノはリズィを使ってメキシコにて休暇中だったウォレス大尉を追跡していたFBI捜査官を殺害。その容疑によりウォレス大尉が逃亡せざるを得ない状況をセッティング。
インフェルノの懐に入ってきたところでツヴァイの「試験材料」とされてしまったのです。
サイス=マスターがジャッジをする形で「ウォレス大尉 vs ツヴァイ」をセッティング。先に10分間ウォレス大尉に猶予を与え、それをツヴァイが追う形になります。
ツヴァイがウォレス大尉を狩るのです。
早くちゃっちゃとやんなさいウォレス大尉が工場の奥に消えた後、サイス=マスターの冷たい声がツヴァイに放たれます。
「ツヴァイ、最初の任務を与える。あの男を殺せ」
「!?」
逡巡するツヴァイでしたがアインがツヴァイの銃を取り上げ、その銃口を向けます。
「もう一度選ばせてあげるわ。全てを受け入れて生き残るか。それとも拒んで死ぬか」
厳しい目で睨むアイン。未だに戸惑うツヴァイ。
人殺しは……行かなければあなたは生きられないのよ
仕方がないのよ……行かなければ僕は生きられないのか……
しかし、一瞬アインは目を細めます。
この瞬間彼女が、
『仕方ないのよ。私たちはこうすることでしか生きれない』
そう言ったように思えます。
アインの無言の説得でツヴァイはその銃を受け取り、ウォレス大尉を殺しに行きます。

仮の住まい兼訓練場として過ごしてきた廃工場が今やお互いの命を取り合う場所となっていました。
ウォレス大尉を追うツヴァイにこれまでアインからたたき込まれてきた「生き残る術(すべ)」が蘇ります。

追う者の心理。追われる者の心理。先に理解した者が勝つわ。

『追うときは逃げる気になって考える。逃げるときはその逆』
やがて地の利のあるツヴァイがウォレス大尉の背後を取りますが、一瞬のためらいの為に初弾を外してしまいます。
分がないと見るやウォレス大尉は銃を捨てて降参の意味で両手を挙げます。
僕に人が殺せるのか?一つの嘘をつく者は沢山の嘘をつく
「お前みたいな子供がどうしてこんな事をさせられてるのか知らんが、よく考えろ、俺とお前が殺し合う理由など無い」
所詮、殺し合いは騙しあいと同じよウォレス大尉はツヴァイの隙を作るために身の上話を始めます。
「お前家族はいるか?……」
しかし、ツヴァイの生存本能はこの男の言葉よりも腰に差したもう一丁の銃への危険性に向いていました。
またアインの言葉が、
『一つ嘘をつく者は沢山の嘘をつく』
『職人は複数の道具を持つ。殺しも同じ』
アインによって研ぎ澄まされた生存本能はウォレス大尉の嘘を看破し、ツヴァイに引き金を引かせます。
しかし、人殺しへのためらいなのかツヴァイはまた外してしまいます。

人は絶対的優位に立った瞬間、隙が出来る逃げるウォレス大尉。それを追うツヴァイ。
しかし、ツヴァイは焦りなのか逆にウォレス大尉の待ち伏せに遭い、銃まで落としてしまいます。
攻守逆転でウォレス大尉はその本能をむき出しにします。
「遊びは終わりだ。お前みたいなヤツを俺は大勢見てきた。引き金を引けない臆病者をな。今からお前にたたき込んでやる。人の殺しか立ってヤツを!」
武器を持たないツヴァイを蹴り倒し、壁に打ち付け、最後は足で横たわったツヴァイの胸を踏みつけます。
絶対的優位に立ったウォレス大尉は余裕でしたが、この男はツヴァイを追い詰めれば追い詰めるほどツヴァイが心とは別の生存本能=暗殺者の資質を見せることを知らなかったのです。
チェックメイト「人を殺すってのはな、誰にでも出来る仕事じゃねぇ。甘く見るなよ」
ツヴァイの苦痛から閉じた瞳が開いたとき、その瞳の色が人の心の通わぬ色になっていることにウォレス大尉は気がつきます。
しかし、全てが遅すぎ、ツヴァイは隠し持っていたナイフを刺し、とどめに更に隠し持っていた小型のリボルバーをウォレス大尉の眉間に突き付けます。
暗殺者としての生存本能をむき出しにしたツヴァイは躊躇することはありませんでした。


これであなたも私と同じ側に……そして、いつの間にかそばに来ていたアインの前でツヴァイはウォレス大尉を殺します。
意外なことにその瞬間をアインは見ていませんでした。
その場面に目を背けるのか、それとも何かを祈っていたのかわかりません。
感情がないように見えるアインもその画面フレーム同様、何も感じない訳ではなく、むしろ同じ年頃の少年をこちら側に引き込まざるを得なかった事に収まりの悪い感情を強く感じていたようです。
「ツヴァイ。初めてにしては悪くなかった」
人を殺したという事実にうちひしがれて、がっくりと膝をつくツヴァイにアインは言葉をかけます。
覚めない悪夢……「どうして、夢のハズだろ?こんなのは……」
「言ったでしょう。長い夢になるって。これは夢の続き。あなたが死ぬか、正気を失うまで……決して覚めない夢」
「終わらせたい?」
終わりたい。ツヴァイは切に望みます。
アインは自分の生き方をもう一度ツヴァイに伝えます。
「あなたの目も、あなたの耳も、あなたの心も捨てなさい。そして、ただの"ツヴァイ"になりなさい。何もかもツヴァイの目で見て、ツヴァイの耳で聞けばいい。そうすれば、もう何も怖くない。悲しくない。楽に、なれるわ」
「僕は、僕は、ツヴァイなんて名前じゃ、ない」
最後の葛藤。最後の抵抗。
区切りを、付けてあげるわアインはツヴァイに銃口を向け、
「そうだったわね。どうして欲しい?わたしに」
「終わらせてくれ。すべてを」
ツヴァイはアインに殺してくれることを懇願します。
悪夢を終わらせたい。この悪夢から逃げたい。
その一心でした。
アインは寂しい表情になり、手にしていたリボルバーの撃鉄を起こします。
荒野に響く銃声。
あなたを死なせないわ。あなたは、私だからしかし、アインの向けた銃口はツヴァイに向けられてはいませんでした。
全ての区切りをつける銃声。
「あなたはもう、あなたでなくなった」
気力を失ったツヴァイは横たわっていました。
「立ちなさい、ツヴァイ」
恐れ怯えていた少年の魂は死に、今あるのはツヴァイという名の抜け殻。
「試験は合格。これであなたはインフェルノの一員よ」
インフェルノに望まれた暗殺者、ツヴァイの誕生です。
あなたは私と共に生きるのよツヴァイとして

真下監督作品ヒロインとしては例外的に胸のあるアイン(笑)今回は久しぶりにストーリーを追いかけてレビューも併記するという以前からのレビュースタイルに戻っちゃいました(笑)
Phantomって元々原作がアドベンチャーゲームですからその命とも言うべきテキストの精度が高いんですよね。
それで今回は原作ゲーム(『Phantom INTEGRATION』バージョン)を平行してプレイしながらレビューを起こしていました。
アニメでは描ききれない原作ゲームで描かれる心の葛藤、またアニメならではの新たに解釈されて補足される動的な表現。
それらを併せて楽しむという、少々気力と体力はいりますが(笑)ちょっと違った視聴&プレイをしていました。
違うメディアで同じテーマを描く、これはこれで楽しかったですよ。

2009年4月12日

●東のエデン 第1話 「王子様を拾ったよ」 レビュー

なんともファンシーなタイトル。

『攻殻機動隊』の神山健治監督と、可愛い絵柄の『ハチミツとクローバー』の羽海野チカさんがキャラクター原案を担当する『東のエデン』
「どんな作品になるんだろう?」
っと想像さえ出来なかった本編は足が地に着いているリアリズムと年頃の女の子が持つファンシーな雰囲気が融合した不思議な作品になっていましたね。

意外と神山ワールドと相性の良かった羽海野チカさんのキャラホントは視聴する予定はなかったんですが、神山監督(以後、神山監督と表記しますね)作品ということでなんとなく公式サイトの予告編を見たときにとても新鮮な感覚を覚えたんですね。
ロボットが出る訳でもない。ラブコメでもない。ファンタジーじゃない私たちを取り囲むリアルな世界が舞台となっている。
いわばアニメーションで描くラブ・サスペンスってところですね。
ここで猛然と「見たい」という気持ちが強くなっていったんですね。
そういえば予告編で言っていましたが、この作品ってわずか11日間の短いドラマなんですね(しかも物語の終焉は劇場版で描くとはメディアミックス展開ここに極まれり(笑))
その短期間に起こる濃密な物語がどんな展開に発展していくのか楽しみですね。

おっとっと、本編のことを何にも書いてませんね(笑)
その前にOPとEDのことなんですが、音と絵のセンスの良さは半端じゃないですね。
OPはややドライな曲調にスタイリッシュな映像が絡んで一級のPVになっています。
OPはスタイリッシュテイストクレイアニーションっぽいけどペーパーがメインのED
EDのペーパークラフトを使ったコマ撮りアニメーションは本編内容も絡めて見入ってしまう内容になってますね(手間かかってそう……)
もうホント、OPとEDでつかみは完璧です。

撮影時のシチュエーションは?んで、本編ですが、携帯カメラの映像から始まりますね。
これはヒロイン、森美 咲ちゃんの持ち物と思われますが、最後のショットの不安そうにしている咲ちゃん(以後、咲ちゃんと書きます)と、ちょっと余裕の表情の"王子さま"滝沢 朗くんのツーショットが印象的です。
ひょっとしたら最後の写真かもしれませんね……。
場所はアメリカ合衆国首都、ワシントンDCのホワイトハウス前に咲ちゃんは一人降り立ちます。
彼女は硬貨をホワイトハウスに向かって投げ込みます。
ホワイトハウス前の噴水に投げ込んでいたんですかね?
しかし、それじゃ怖い顔つきのお巡りさんたちが(もち外国人)が寄ってくるのは必定です。
しかし、それよりフルインパクトな登場の仕方をしたのが"王子さま"滝沢 朗くん。
女の子の細腕じゃ噴水まで届きません。ホワイトハウス前の噴水にお金を投げ込むと御利益があるの?
べ、別の場所で投げ込めば良かった……。すっぽんぽん王子さま登場(笑)
いろんなアニメを見てきましたが、主人公が「フル・モンティ状態」で登場するのは初めて見ました(しかも書き殴りぼかし付き(爆笑))
しかも咲ちゃんは朗くん(以後、朗くんと書きます)の寒さで縮こまった「(自主規制)」をきっちり、しっかり、がっつり大きさ・形を確認しちゃってます(笑)まぁ、そんなこんなで咲ちゃんは警官から逃げることに成功しますが朗くんのあられもない姿に思わず貸しちゃったコートにパスポートと財布が入っていたものですから大変。
ホントはここで別れて以後会うはずの無かった二人が再会、行動を共にすることになるんですからね。

この作品で感心したのがワシントンDCでロケハンを敢行したのでしょうか?曇り空の寒く湿っぽい感じの空気まで感じる雰囲気を綺麗な背景で描き出していますね。
空気まで描いている背景。背景はちゃんとキャラとも融合して作品世界を作り上げています。
他の作品と違うこの作品の背景って配色の妙があるんでしょうね。
その完成度の高い背景群がこの作品の一定のリアリズムを与えていますね。

現時点、ただの変質者(笑)現時点での最大の謎が朗くんの存在(いや、「すっぽんぽんのぽん」って話じゃなくて(笑))彼自身、自分が何者かわからない。
潤沢な資金と携帯による支援体制。
物語が進むにつれて彼の真の姿も見えてくるでしょうね。
そこでちょっと気になったのは朗くん自身は咲ちゃんを確認して、裸になってから自分の記憶を消す依頼をしていることなんですね(そう見える描写でした)
かなり異常な出会いをした咲ちゃんと朗くんですが、記憶を失う前の朗くんは咲ちゃんを視認してから行動をとった。
記憶を失う前の朗くんは何かしらの形で咲ちゃんを知っていたのかもしれませんね。
「俺に用か?俺に向かって話しているんだろう?どうなんだ?」それにしても自分の「アジト」に来て鏡に映る銃を構えた自分を見て思い出した映画が『タクシードライバー』しかも主演のロバート・デ・ニーロまで思い出すとは実年齢を超えた映画ファンのようですな、彼は(笑)
※モヒカンスタイルまでネタで出してくるのは監督の趣味なのか?それともシナリオライターの暴走なのか?(笑)

乙女の純情パン~チこれが私たちのいる世界の現実。
空港までたどり着き、楽しい雰囲気の中で少しずつ距離が縮まっていく二人でしたが、ラストで見せてくれましたね。この世界が異常な状態に陥っていることを。
東京がミサイル攻撃を受けるとは。

二人は出会い、そしてドラマは始まる。第1話を視聴して感じたことはちょっと不思議な感触でした。
一定のサスペンス的展開はあるものの割と穏やかな展開でお話は進みます。
しかし、退屈じゃないんですよね。
これって凄いことです。
シナリオと演出、そして声優さんたちの実力がなければこんな風には見れません。
そして謎と複線が紐解かれるとき、どんな展開が待っているのかワクワクしてきます。
やっぱり先の読めないオリジナルストーリーアニメは面白いですね。
次回視聴決定です♪

●Phantom 第2話 「訓練」 レビュー

暗殺者が作り上げられる話

さて、第2話ですが、過去編とも言うべきツヴァイの訓練が描かれます。
原作でも丁寧に描かれていて、
「地味なところだからアニメでは省略されるかな?」
って不安視されていたのですが、ここは「普通の人」が『暗殺者』に作り上げられる大切な描写。
真下監督はしっかり丁寧に描いてくれていますね。

ミニスカアクションじゃなくて良かった(笑)目を覚ましたツヴァイに自己紹介的に言うアインの短い台詞ですが、彼らの立ち位置が見えますね。
「名前はないわ。呼びにくければアインと呼んで」
名前もアイデンティティ(自己同一性)も奪われた存在である彼らの悲しい立場。
それも他人の屍を踏み越えなければならない現実をツヴァイは身をもって知ることになります。

ツヴァイが一生懸命に自分の過去を思い出そうとするとき、アインが苛立たしそうにツヴァイのバックを放り出し、
「無いのよ、もう。考えるだけ無駄」
っとアインは言いますが、彼女の横顔を見るとその言葉だけではないものを感じます。
怒りが入っているのかちょっと乱暴に荷物を扱うアインもう諦めなさい。あなたの生き方は決まってしまったのよ。
アインが自分の中では完全にかき消された過去を断片的ながらも持っている少年(ツヴァイ)に羨望の念が無かったと言ったら嘘になるでしょうね。
しかし、彼女は今はまだ暗殺者の仮面をかぶり続けます。

私はあなたを殺したい訳じゃないわ。前回も書きましたが、アニメ版アインは暗殺者の仮面をかぶり続けていますが、その実さざ波のように波立つ感情が目や手、その所作で表現されていますね。
ツヴァイが暗殺者の訓練を最初拒否しようとしたとき、アインは銃を向けます。
しかし、よく見るとその行為に一瞬逡巡するかのように空いている左手がぴくりと動くんですね。
これはアニメというキャパを持った映像表現のなせる技ですね(むろん映像が一番良いとは言いません。文章は心理描写において映像表現を超えます。それぞれ得手不得手はありますから)
アインは今の自分の立場を本当はよしとしていません。
人を殺し続ける自分を無心でいることを他人のように傍観することで自己を維持しているんです。
しかし、ツヴァイという存在が現れて彼女は今まで当たり前のように行っていた行動に少し障害を感じるようになります。
私たちの生き方は、これしかないのよ。「生きたければ生まれ変わるの。あなたはもう人を殺すことでしか存在を許されない」
アインの心がどこにあるのかはわかりませんが、少なくとも言えることは少年=ツヴァイを生かせるためには、彼を暗殺者に仕立てるしか道がないと言うこと。
彼女たちの生きる道はあまりにも悲しく、虚しく、険しい道ですね。
「夢だ……こんな、何もかも悪い夢なんだ」
ツヴァイは絶望の中でそうつぶやきます。
私も長い夢を見ているのよ。この台詞は案外重要です(原作的にも)
「それで慰めになるならかまわない。全部夢だと思っておくのね。でも、長い夢になるわよ」
アインの返す台詞は後々また現れます。
絶望の淵にいるツヴァイは気づきませんが、夢と思いたい悪夢のような状況に唯一共に進んでくれるアインの存在があることを。

訓練がスタートしますが、ここでほっとしたこと(なんかホッとすることが最近多いな(笑))は、訓練中、また作戦中、アインは戦闘服に着替えていること。
あのミニスカ、ノースリーブの私服で訓練をやっちゃったらなんか露骨に、
「これアニメですよ~(爆)」
って感じになっちゃったでしょうね(笑)
さて「アインの正しい暗殺者養成講座」(爆)が始まります。
これも結構原作準拠です。
基礎体力の強化(全ての基本)。平衡感覚を磨く(射撃感覚の強化)。格闘訓練。射撃の訓練。
受け身の取れない落下はイタイです。強くならないと、死ぬわよ。
全てフルオーダーで描写されます。
……地味だ(爆)
しかし、この描写無くてはいくら(暗殺者の)才能があるツヴァイでも人は殺せません。
格闘戦では全く歯が立ちません。自分の全てを強化し、感覚を研ぎ澄まし、自分と同じ息をする者を殺すに至るためには絶対必要な描写であり、省略は許されないシーンなんですね。
ちょっと悲しいのはツヴァイが訓練を受け入れ、従順にオーダーをこなしているのは体がぼろぼろになるまで訓練をしている間、余計なことを考えなくてすむから。
過去を失ったこと、名前も自分も失ったことも訓練の間は忘れていられるからなんですね。
しかし、それはサイス=マスターの狙いでもあったのですが……。

嬉しいシーンなんですけどね。考える余裕もないツヴァイさん。
射撃訓練ではなぜかアインの胸元が妙に強調されています。射撃スタンスを教えるために体も密着していて年頃の男の子であれば頭に血が上るシチュエーションなんですが訓練のしすぎで「思考回路はショート寸前♪」(←月に変わって(自主規制))状態のツヴァイはよくわかっておらんようです(MOTTAINAI!(笑))

クロウディアの胸中にあるものは?アインが「仕事」に行っている間、クロウディアがツヴァイに個人的に接触してきますね。
アインが妄信的にサイス=マスターに付き従っているのに対し、ツヴァイは精神的にそういう傾向がない。
一個人として話が出来る相手だからクロウディアは会ってみた。
ツヴァイの心の揺らぎを利用して自分の方に引き込む。
いずれ起こるであろうサイス=マスターとの対決に手駒は多いことに越したことはない。
そういう計算がクロウディア自身無いと言いきれないはずです。

また、一人殺した。二人が話している頃、アインは狙撃任務をこなしますが、ここの描写もいいんですよね。
狙撃時、体を「固定」した後、最後の障害は自分自身の呼吸です(他に風向き、風力、湿度等もありますが)
息を止め、あらゆる要素を計算し織り込み、引き金を絞り、自分と同じように息をしている「対象」の息の根を止める。
また、いつもの任務。

帰ってきたアインはこともなげに言いますね。
「そう、あなたと一緒。私も記憶を消されて暗殺者に……」
自分もツヴァイと同じ記憶を奪われ、暗殺者に仕立てられたことを話します。
しかし、
ただ、今を生き延びるだけ。「でも、それが何?今、この瞬間を生き残る。それだけ。殺し屋は、過ぎたことも先のことも、何もない」
アインも生き延びるために、殺し続けているんですね。
ツヴァイはクロウディアから貰った、
『僕らは奴隷じゃない。自由がある』
その言葉を唯一の救いのように言いますが、アインから一蹴されますね。
「そう信じたいならそうすればいいわ。でも、そのうちあなたも何も感じなくなる。この生き方に耐える方法は他にないから。いずれ、あなたもそうなるわ。実際に人を殺すようになればわかる」
人の命を奪いながら生きていく、アインが得た「生きた教訓」ですね。

ラスト、深夜に射撃訓練を自主的に再開したツヴァイをアインは見守ります。
その時、撃った際に飛び出した空薬莢が先に落ちたものに軽く当たりますが、それはまるで今の二人を象徴するように思えます。
人殺しを象徴する薬莢。それが寄り添うように地面に並んで落ちている。
二人は人を殺すことでしか存在し得ない。
しかし、一人ではない。二人であるという事実もこの象徴は意味していますね。

殺戮の世界に寄り添う二つの魂。

2009年4月11日

●Phantom 第1話 「覚醒」 レビュー

貴方は、私……

さてと、1週間遅れですが待望のアニメ版Phantom第1話のレビューを書きますね。
アニメ化ともなれば必ず起こるのが原作原理主義者(ヲィ)との葛藤です。
アニメ版と原作ゲーム、媒体も違えば表現も違う。
そこでいかに原作のエッセンスを大事にしながらアニメーションに昇華できるか、そこがアニメスタッフの腕の見せ所です。

このままメイド服でストーリーが進んだら別のお話になっちゃいます(笑)さて、本編ですが、想像していた以上に原作に敬意を表した作り方になっていますね。
第1話はすでに暗殺者となったツヴァイの行動と、未だ一介の民間人であった頃の彼が暗殺者としての才能の片鱗を見せる話が平行して語られます。
前のエントリー記事で心配していたアインのメイド姿は敵対するマフィアの大ボスの屋敷に潜り込むための扮装でありました。
コレはちょっとほっとしました(笑)

アニメ版の解釈としていいなぁ、と思ったのはアインの目の表情。
感情の起伏のない彼女でしたが、瞳の中に押し殺している感情の機微が現れているんですね。
冒頭でもツヴァイがガードマンを仕留める意志を固めたとき、アインは目をわずかに細めます。
僕は、生きるために殺す。何も感じない訳じゃないわ。
原作ゲームではなかなか表現しにくい彼女の意識の水面下の葛藤が見え隠れします。
実際、彼女の感情表現を見せるシーンやカットは意外なほど増やされていますね。
ツヴァイの「適性試験」後、催眠銃で眠らせたツヴァイに自分を重ね合わせて複雑な思いを巡らせるアインは気がつけばツヴァイのほほに触れます。
私は一人目の女私も貴方も生きている……
これもいい演出なんですよね。
なぜか?
彼女に触れるものは全て死にます。
私は、どこにもいない。どこにも行けない。しかし、彼女は初めて自分の分身、自分と同じ運命をたどる少年を目の前にして今までになかった感情の起伏を覚えるんです。
むろん、この段階では恋愛感情は生まれていません。
ただ、アインは触れることの出来る自分と同じ存在を感じます。
一人では感じなかった鏡に映る写し身のようなもう一人の自分。
彼女は内側に築いていた心の壁にわずかですがほころびが生じます。

ファントム・エフェクト発動!(笑)話は変わりますが、ツヴァイの姿が亡霊のように揺らぐシーンがあります。
この亡霊のように姿が揺らぐ効果は真下監督命名「ファントム・エフェクト」と言うものです。
シナリオ段階でしかかかわっていなかったシリーズ構成:黒田洋介さんと、原作者:虚淵玄さんは絵コンテの段階で真下監督の指示に見知らぬ単語、
「ファントム・エフェクト」
の記述を見つけてお二人とも、
「なんだコレは?」
とえらく困惑したそうです(笑)
※ネタもとはWEBラジオ「ファントムらじお」です。
ここにも、ゲーム、シナリオ、そして映像と違うメディアの解釈の違いとも言うべきものが見えて興味深かったですね。

作りは凄く丁寧で良いんですけどね……第1話を見終わって感じたことは、
「面白かったけど佳作すぎる」
と言う印象でした。
原作を大事にし、そのエッセンスを映像表現としてしっかり再構成している。
これは間違いない事実です。
しかし、1話としての掴みが弱すぎる印象なんです。
音楽の印象も少々弱い感じです。
梶浦由紀さんのオリジナルスコアのように音楽だけでも立ってしまうような世界観が欲しかった。

ただ、最後の最後で嬉しいサプライズがありましたね。
この後に出会う人々が一切の説明無しに描かれている。
ある人は敵となり、ある人は思わぬ関係となってしまう。
暴力団・梧桐組の若頭 梧桐 大輔と舎弟の志賀 透キャル、後のドライ
左がお節介好きの窪田 早苗。後のクラスメイトとなる藤枝 美緒。彼女自身にも秘密がある。
最後に登場した人々はアインとツヴァイ、この二人が出会ったことで自分たちの運命が大きく変わってしまったことを、知る由もありません。
運命の歯車は大きく回り出したのです。